特定非営利活動法人「北斗会」では、鹿児島県霧島市を拠点に、障害福祉サービスの就労継続支援B型事業を提供しております。仕事(作業)内容や工賃、利用料だけでなく、どんな方が対象となっているかなど、さまざまな観点で解説していますので、ぜひご覧ください。
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就労継続支援B型事業所のケース記録とは?正しい書き方と注意点について徹底解説!

就労継続支援B型事業所のケース記録とは?正しい書き方と注意点について徹底解説! 就労継続支援B型とは?仕事(作業内容)や工賃など紹介!
ねこざかな
ねこざかな

就労継続支援B型のケース記録とは?何に使う記録なのかな?

メンダコ
メンダコ

ケース記録をうまく書きたいな!ケース記録の書き方を知りたい!

就労継続支援B型のケース記録とは?就労継続支援B型のケース記録の書き方を検索したことはありませんか?そんな方におすすめの内容となっています。

この記事でわかること
  • 就労継続支援B型事業所におけるケース記録とは?
  • 就労継続支援B型のケース記録の重要性
  • 実地指導でみられる内容
  • 就労継続支援B型のケース記録の書き方

これからケース記録に携わる方、いま書いているが不安や疑問がある方、ぜひ参考にしてみてください。

  1. 就労継続支援B型事業所におけるケース記録とは?作業所に備えておくべき書類の1つ!
    1. ケース記録とは
    2. ケース記録で記載するべき内容
    3. ケース記録は実地指導でも見られる
  2. 就労継続支援B型事業所におけるケース記録の役割は?3つのポイントで解説!
    1. 職員間で利用者の情報を共有できる
    2. 担当者会議やモニタリングの資料として有効
    3. 利用者とのトラブルの際に法的根拠に基づく証拠になる
  3. 就労継続支援B型作業所向け!ケース記録の正しい書き方を5つの手順で解説!
    1. 手順①|利用者に対する声かけの内容
    2. 手順②|指導・支援を計画、職員と話し合った内容
    3. 手順③|指導・支援した内容
    4. 手順④|その後の利用者の変化・反応
    5. 手順⑤|今後の見通し・見解
  4. 就労継続支援B型事業所におけるケース記録の書き方で注意するべき10のポイントを解説!
    1. 誰が閲覧してもわかる書き方を心がける
    2. 利用者の視点に立って書く
    3. 数値化して具体化する
    4. 個別支援計画に基づく内容にする
    5. 場面がわかるようにシナリオを整える
    6. 作業内容だけでなくプライベートの情報も記載する
    7. 他の職員と協力しながら仕上げていく
    8. 他者とのかかわりは実名を残す
    9. 職員の主観的な表現は避ける
  5. 【実例】就労継続支援B型事業所のケース記録事例!3つのパターンで書き方を紹介!
    1. 事例①|就労継続支援B型作業所内で大声を出しながら暴れた50代男性
    2. 事例②|退所後に就労支援B型作業所を誹謗中傷してきた40代男性
    3. 事例③|就労継続支援B型で作業中に怪我をした30代女性
  6. 就労継続支援B型事業所におけるケース記録の内容をよくするには?書き方でおすすめの3つの技法を紹介!
    1. 5W1H
    2. PREP法
    3. 起承転結
  7. 就労継続支援B型作業所「ワークショップOHANA」のケース記録の書き方を紹介!
  8. まとめ|就労継続支援B型事業所のケース記録は正しい書き方でまとめることが重要!

就労継続支援B型事業所におけるケース記録とは?作業所に備えておくべき書類の1つ!

就労継続支援B型事業所におけるケース記録とは?作業所に備えておくべき書類の1つ!

就労継続支援B型事業所におけるケース記録とは、「サービス提供に関するもの」であり日々の支援記録のことですが具体的にどんなことを記録しているのか、また作業所に備えておくべき書類の1つですがなぜ大切なのかなど詳しく解説しています。

ぜひ、参考にしてみてください。

ケース記録とは

ケース記録とは、簡単に説明すると、利用者の方が作業所内にて行う日々の活動や体調の変化・様子などを記録し、今後の支援のために役立たせる目的のある書類のことです。

ケース記録は、就労継続支援B型を利用中または、サービス提供時の活動(支援)、日々の活動記録を詳細に記録する重要性があります。そのため毎日記録しようとすると一言一句細かく記載することは困難をきわめます・そのため、特別変更があった場合やアクシデントが発生した場合など、その都度、記録するのがこのましいでしょう。

ケース記録の役割が理解できると記録する時間の短縮にもつながります。下記では記載すべき内容や実地指導でみられる内容を詳しく解説しています。

ケース記録で記載するべき内容

実際にケース記録で記載するべき内容を詳しく紹介、解説していきます。障害者総合支援法のなかで「ケース記録の必要性」がいわれていますが、具体的な様式までは定められていないため、書き方の決まり(テンプレート)はありません。ですが、なにかあった際、振り返り確認をするために必要になる重要な記載事項はあります。

ケース記録は利用者の方が作業所でどんな活動をしたのか、また日々の体調の変化・様子を記載しています。他にも作業につまずいたときに職員がどう対応したのか、またその対応方法を他の職員にも共有しなければなりません。体調の変化・様子についても情報共有はとても大切になってきます。

ケース記録で情報共有をする際に注意しなければならない点もあります。実地指導のときにみられる記録としてだけでなく、他の職員との情報共有のためにも客観的かつ簡潔に記載しましょう。いつ、どこで、誰がなどもしっかり記載すると状況把握に役立つので確認するとよいでしょう。

ケース記録は実地指導でも見られる

ケース記録は実地指導でも見られます。実地指導で見られる大まかな内容ですが、運営に関するもの・サービス提供に関するもの・介護給付費等の請求に関するもの・その他となっており自治体によって多少の違いはあります。

ではケース記録はどの項目かというと、「サービス提供に関するもの」に該当します。

内容として、日々の支援記録を重点に見られるケースが多いようです。

ケース記録は、個別支援計画に記載された目標に沿ったサービスの提供内容及び利用者の達成状況等を記録したものです。さらに、報酬を請求する上での根拠となる記録でもあります。

記録に記載する重要な要素として、サービスの提供・支援を行った場合、「提供日」「提供したサービスの具体的内容」「実績時間数」利用者負担額など利用者へ伝達すべき必要な事項」をその都度記録しましょう。

また、在宅支援を利用している利用者については、日々の「日報」も必要になります。在宅支援は対面での支援ではないので支援方法も難しく、通常の通所利用者との記録の書き方も違う部分があると思いますが、毎日の記録は必ず残すようにしましょう。

実地指導でよくある指摘事項を下記にまとめました。

実地指導でよくある指摘事項
  • サービス提供をした際、その都度支援の内容が記載されていなかった。
  • サービス提供及び支援を開始する際、利用者の確認を得ていなかった。
  • 提供・支援の内容を1ヶ月まとめて確認を得ていた。
  • 記録が「特に変更なし」のように具体的でなかった。
  • 送迎や食事提供を実施しているにもかかわらず記録していなかった。

このように毎日記録していると書くときつまずいてしまうような内容のことが指摘されがちです。時間がないからまたは、体調の変化・様子に変わりが無いなど理由があっても、利用者の視点にたち、まとめて書くことはせず、毎日記録することが重要です。

日々の利用者の状況(体調の変化・調子、会話、作業への取り組みの姿勢)などしっかり備考欄を作りメモをしておくとよいでしょう。記録を書く時のヒントになりますし、サービス提供に必要な情報に繋がります。さらになにか質問されたとき迅速に対応できるからです。

就労継続支援B型事業所におけるケース記録の役割は?3つのポイントで解説!

就労継続支援B型事業所におけるケース記録の役割は?3つのポイントで解説!

就労継続支援B型事業所におけるケース記録の役割は、大きく分けて情報共有、資料、証拠の3つのポイントです。それぞれ詳しく確認していきましょう。

理解が深まることで、書き方の工夫にもつながりますので参考にしてください。

職員間で利用者の情報を共有できる

職員間で利用者の記録情報を共有できることで、「記録情報の価値向上」・「支援力の向上」などにつながります。支援力が向上すると支援の質も向上します。情報と一言でいっても多岐にわたり、利用者の行動・言動・職員の対応などさまざまです。情報を共有することで利用者を守ることもできますし、自分自身を守ることにもつながります。

共有する情報も主観的な記録ではなく、客観的にみた記録の書き方をすることで、情報の整理にもなりますし、第三者が見たとき状況把握がたやすくなり、イメージがしやすくなるでしょう。

さらに、利用者への将来的に必要となる支援のヒント、計画を立てる時の参考にもなります。

担当者会議やモニタリングの資料として有効

就労継続支援B型事業所に限った話ではありませんが、利用者の方が障害福祉サービスの継続を望んでいる場合定期的な「モニタリング」および「担当者会議」が必要です。

就労継続支援B型事業所でのモニタリング期間は6ヶ月に1回以上と定義されていますが例外として、新規利用者や提供するサービスの種類・内容・量に著しい変更があった場合は1か月ごとにモニタリングすることがあります。※(3か月間に限る)

そのため日々記録するケース記録はモニタリングで使用する資料作りに欠かせない記録になるでしょう。

また、ケース記録に記載された利用者の話や不安、心配ごとなど些細な記録もしっかり把握しておくことで、今後どのようなサービス提供が望ましいのかヒントにもなるで日々の会話や利用者の行動を私的な言葉でのニュアンスではなく、客観的目線で記録しましょう。

利用者とのトラブルの際に法的根拠に基づく証拠になる

あってはならないことですが、もし利用者とトラブルになった場合、日々のケース記録は後の法的根拠に基づく証拠になります。トラブル当日に問題にならなくても、後日問題になるケースもあります。その際に確認できる記録として重要になります。

ケース記録に5W1Hを使用して記載されているとその時の状況が詳しく確認できるため法的根拠のある証拠になるでしょう。

※5W1H=「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(だれが)」「What(なにを)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」の英単語の頭文字のこと。

就労継続支援B型作業所向け!ケース記録の正しい書き方を5つの手順で解説!

就労継続支援B型作業所向け!ケース記録の正しい書き方を5つの手順で解説!

就労継続支援B型作業所にあわせたケース記録の書き方を5つの手順で紹介していきます。手順を理解すると時間短縮にもつながります。

ぜひ、参考にしてください。

手順①|利用者に対する声かけの内容

どのような話をいつ、どこでしたのか、声かけの内容に支援・指導につながる内容が含まれているとよいでしょう。

声のかけ方も注意が必要です。急に話しかけると驚く方もいますし、急に触れる行動も厳禁です。必ず視界に入り、目線は利用者より少し低めにし、声かけの確認をとったうえで話しましょう。

手順②|指導・支援を計画、職員と話し合った内容

フォローが必要と感じる内容であれば職員同士での共有が必須です。行動に移す前に必ず話し合いをし、計画をたて、利用者に説明をおこない、計画実施を記録します。

いつから計画して、支援につながったのか他の職員も状況の把握ができるようになります。

手順③|指導・支援した内容

支援を行った後の記録も重要になるので、利用者の反応・変化については細かく書くことをおすすめします。細かく書くことで今後の見通しや個別支援計画書へのアプローチにもなるのでしっかり記録しましょう。

手順④|その後の利用者の変化・反応

書き方次第で利用者の支援の方向性も変わってきます。憶測や主観的な内容を書いてしまうと間違った支援にもつながりかねません。事実をしっかり書いて、達成感を味わってもらい、モチベーションアップにつなげましょう。

手順⑤|今後の見通し・見解

反応を確認し、今後の見通しを職員間でまず考査します。その後、利用者を含めどの程度なら無理がないかなど確認をしつつ記録しましょう。職員だけで今後の見通しをたてても利用者が納得しなければ、意味がないためです。

上記のようにケース記録を5つの手順で正しく書くと、意味のある重要な就労継続支援B型のケース記録になるでしょう。

就労継続支援B型事業所におけるケース記録の書き方で注意するべき10のポイントを解説!

就労継続支援B型事業所におけるケース記録の書き方で注意するべき10のポイントを解説!

就労継続支援B型事業所のケース記録の書き方で注意するべき10のポイントがあります。

下記では10のポイントをそれぞれ詳しく解説しています。

書き方の工夫にも繋がるポイントなので現在書き方に行き詰っている方は必見です。ぜひ、参考にしてください。

誰が閲覧してもわかる書き方を心がける

就労継続支援B型事業所のケース記録は、個々の支援課題があり、年数経ってその利用者の方の変化を見て就労支援していく中で、支援の幅を拡充していくのは、他の職員ではないでしょうか?

時間短縮のため、作業的に書くのではなく、さらに自分さえ分かればよい気持ちで記録するのではなく、他の職員が将来見た時に、必要とされる支援につながる重要な記録という認識でわかりやすく記録を書きましょう。

例1)Aさんがめんどくさいのか、外での作業をイヤといっている。以前のAさんは言われたことを事務的に取り組んでいました。さらにAさんは人が多い場所では作業ができない気がする。ほかに、自分のしたい作業を教えてくれた。パソコンに興味があるという話をしました。

例2)Aさんが作業内容の変更を希望している。理由は暑くなって来たため外での作業が体調面に影響し、午後の作業が辛い。とAさん本人より話があった。さらに人の多い場所は緊張するとの話も聞く。また、Aさんはパソコンでの入力作業を希望している。自分の将来への前向きな発言が増えている。 

1,2を比べると1は職員の日記のようになっていますが、2はAさんの心境の変化や様子を明確に記録していませんか?

このように、誰が見てもわかりやすく、またどのような支援が必要になっていくのか明確になっている記録が重要になります。

利用者の視点に立って書く

就労継続支援B型のケース記録には、作業所または事業所で利用者本人が行動したこと、また利用者が考えて言葉に出したものなどを書きましょう。

ときどき、何を書いてよいのかわからない職員が、職員自身が思っていること考えていることを書き、ケース記録の内容を混在させてしまいがちです。

誰が考え行動したのか明確にし、さらに職員の視点ではなく、利用者の視点で書かなければなりません。

例1)作業に集中できていない。15分ごとの離席(携帯の確認)が目立ち他の利用者へ影響がでる可能性。ゲームをしているのかもしれない。と思ったが薬を忘れていた。

例2)ソワソワしており作業に集中できない。「携帯みてもいいですか?」と15分ごとに離席していた。しばらくすると「昼食後の薬を忘れてしまって」と職員に話される。その後職員と一緒に自宅に薬を取りにいく。

例1は完全に職員の考え、思っていることが記録されています。1点目、実際に離席により他の利用者への影響がでていたのでしょうか。「可能性」と書いているので、職員視点になります。2点目、ゲームをしているかもしれないと思ったと書かれていますが、職員が思っただけであり特に書く必要のない言葉です。

このように職員の視点にならないように事実のみを明確に気を付けて記録しましょう。

数値化して具体化する

就労継続支援B型のケース記録には、体温、血圧などバイタル、体調について記載する項目があります。例えばケース記録に体温を記載するときに、平熱・いつもと変わらず。などと記載していませんか?前述でも解説していますが、誰が見てもわかる書き方をしなければなりません。そのため、しっかり「○○℃」などしっかり数値化して記載しましょう。

数値化して記載することとは、記号化で書く、時間で書く、項目で書く、なども対象になります。数値化することで全体の把握もしやすくなりますし、具体的に表現ができるでしょう。

個々の職員により書きやすい記録の書き方があるはずです。時間がない中で、記録していくものなので、同じ項目の場合は記号化、暗号化した事項の共有をおすすめします。

個別支援計画に基づく内容にする

個別支援計画とは、障害者の方に対して適切な支援やサービスを提供するための計画です。さらに、個々のニーズ、希望、能力、目標に合わせて支援を調整し、対象の利用者が最大限自立し、生活の質の向上を目指すための計画でもあります。

そのため、日々のケース記録での利用者への評価は、個別支援計画を理解して記載することで、今後の支援の向上や利用者のやりたい事、興味のある事などを見つけるヒントにもなります。次回の個別支援計画の作成を兼ねている記録にすると効率的なケース記録になるでしょう。

個別支援計画に基づくケース記録の書き方として、利用者個人の状況や支援の必要性を評価し、利用者の強みや課題を理解した書き方があります。この書き方は、適切な支援の方向性が明確になります。

就労継続支援B型の職員は、支援が必要な利用者に対して、個別に計画された支援を提供し、その人々の生活の質を向上させるために重要なツールとなっています。ケース記録は、支援を必要とする人の個別の状況と目標に合わせた日々の記録であり、その記録により今後カスタマイズされたサービスの提供をすることを目指してみましょう。

場面がわかるようにシナリオを整える

日々のケース記録はしっかり場面がわかるようにしましょう。時系列も1つの注意点です。朝のことを書いていたのに急に寝る前の話を書いたりして時系列がバラバラだと読み手も理解と状況の把握が難しくなるでしょう。しっかりシナリオを整えることで他の職員も読みやすく、また何を伝えたいのかはっきりと明確になります。

例1)午前中元気に作業していた。夜寝る前にお友達と1時間ほど電話をしたと楽しそうに話す。

例2)午前中作業に積極的に取り組まれていた。午後の作業中ウトウトしていたため声をかけると、昨夜寝る前に友人と1時間ほど楽しく話していた。と言われる。

例1を見ると午前中は作業にしっかり取り組めていたことはわかりますが、急に寝る前の話に飛んでしまっています。さらに、なぜ寝る前の話がされたのかも他の職員が見ても全くわからないでしょう。このような悪文にならないようにシナリオを整え何を伝えたいのか場面が分かるようにすることで誰が読んでも状況の把握ができます。

作業内容だけでなくプライベートの情報も記載する

毎日の作業場面や活動だけではなく、昼食中やお昼休み、朝来た時などの様子も記録してみましょう。些細なことから支援のヒントを得ることができるかもしれません。
また、ご家族からの情報や他の利用者からの情報を記入する欄を作るのもよいと思います。利用者の体調の変化、自宅での過ごし方など、今後の自立へのステップアップになることもあります。

ケース記録は、できないことばかりを書くものではありません。できたことや、にやりとした行動、ほっとする話などほっこりする話題も書くこともおすすめします。

他の職員と協力しながら仕上げていく

ケース記録を書くとき、時間短縮のためひとりの職員が特定の利用者だけを書く分担作業は辞めましょう。Aさんは○○、Bさんは▲▲と決めてしまうとその利用者だけに偏ってしまい、よいケース記録とは言えません。

他の職員も書いてよい記録としておけば、担当職員だけに固執する傾向をふせげますし、複数人の様々な接点,視点で書くことで支援する時の視点の偏りもふせげます。複数の意見を利用し、ケース記録を書いてみましょう。

また、書く時間は、他の職員も一緒に打ち合わせをしたあとがよいです。様々な情報があるので、ケース記録をまとめる際に役立ちます。

他者とのかかわりは実名を残す

個人情報保護の観点から、イニシャルで残している事業所もあると思いますが、流出しなければ問題がないことです。情報の流出の心配よりも、利用者同士、または職員との関係性を見たときに、実名を入れて記録を書いた方が、その場にいなかった人に情報が伝わりやすくなります。

最終的に「書いた人だけが使うものではない」わけですから、事実を把握しやすいようにケース記録に残していく書き方をおすすめします。

職員の主観的な表現は避ける

ケース記録には職員の主観的な表現はNGです。職員が予測した事ではなく、見たまま聞いたままの事実を書きましょう。事実を書くことで「した」「していない」などトラブルの回避にもなりますし、職員として見ていないことを予測して書くものではありません。

例えば、「○○さんは病気により指が変形しているためパソコン操作はできないと感じた。」この文は職員が感じただけで利用者本人から聞いた話ではありません。さらに病気と書いていますがもしかしたら先天的な変形の可能性もあります。

全てにおいて書いている職員の主観的な表現になっています。このような記録の書き方をしてしまうと、できたかもしれない支援ができなくなる可能性も出てきます。主観的な書き方は利用者のマイナスにしかならないので書くときは注意しましょう。

それでも、記録した人のなかで、わかったことやこうではないか?という予測など、場合によっては書いておきたいこともあります。その場合は、別枠で書いておくようにしましょう。

【実例】就労継続支援B型事業所のケース記録事例!3つのパターンで書き方を紹介!

【実例】就労継続支援B型事業所のケース記録事例!3つのパターンで書き方を紹介!

書き方のポイントが理解できたところで、3つのパターンの実例をもとに書き方を紹介していきます。いろいろな人、就労継続支援B型のケース記録の書き方をみて、参考にしていただければと思います。

事例①|就労継続支援B型作業所内で大声を出しながら暴れた50代男性

20**年*月*日午前11:00

記入者「○○」 該当者(参加者)「A氏、B氏、担当職員、職員C、サビ管」

50歳男性A氏が作業所内で「うるせー」「だまれ」と大声を出しながら暴れる事案発生。となりにてB氏が作業していた。B氏は知的障害B1で一人でボソボソとつぶやきながら作業されていた。時折パニックになると席をたったり、奇声を発することもあった。

事案発生時も作業内容の変更があり、B氏がパニックになり奇声を発してしまった。1度目はA氏も驚くのみで何もなく作業を再開したが、30分後に再度奇声をB氏が発すると「うるせー」「だまれ」と大声をだし暴れてしまう事案に発展してしまう。

職員がすぐにA氏、B氏の距離をお互い視界に入らない場所まで移動させる。男性職員のC氏がA氏に「Aさん一度お話をしましょう。」「私の声きこえますか?」と話をかけA氏が落ち着いたときに静かな場所に移動し担当職員とサビ管、A氏でどうして大声で暴れたのか話を聞く。A氏「となりのBがうるさくて頭にきた」と話される。その日はA氏には帰宅するよう話をし、A氏は帰宅する。

次回作業時に時間をずらし作業時間がかぶらないように対応行う。

事例②|退所後に就労支援B型作業所を誹謗中傷してきた40代男性

20**年*月*日午前10:00

記入者「○○」 該当者(参加者)「A氏、施設長、職員C、」

1度もめ事があったB氏が辞めずにまだ利用中だったことを知り、A氏は自分から退所を希望し退所されていた。しかし3日後自分(A氏)をだまして馬鹿にされたと事業所を誹謗中傷してきた。とにかく話をしましょうと施設長から提案をし話し合いの日程が決まった。

*月*日午前10:00にA氏、施設長、職員Cにて話を行う。施設外での話し合いだったため、話の前に証拠の為に録音をすることを提示し納得してもらい、録音を開始。

A氏の話に一貫性がなく「訴える」とA氏からいわれる、施設長は警察に録音をもっていき相談する旨を話すとその後連絡取れず。

事例③|就労継続支援B型で作業中に怪我をした30代女性

20**年*月*日午後13:00

記入者「○○」 該当者(参加者)「A氏、職員B、送迎者C氏」

13:00就労継続支援B型作業所にて転倒事案発生。利用者A氏が厚底の靴で移動中足首をひねり転倒してしまう。左ひざに擦り傷、左足首が腫れてしまう。すぐに施設長に連絡し連携している整形外科に連絡取り向かう。女性職員B氏が付き添い病院受診。レントゲンを撮影骨に異常なし。重度の捻挫のため、足首の固定をする。塗り薬と張り薬の処方あり。朝包帯が負けないと話があったので、出勤後足首ギプス固定のため包帯を巻く支援おこなう。

このように、実例をもとにした就労継続支援B型のケース記録には、多様な利用者の言葉、動きがあります。職員は常にアンテナをはり、何かあった場合一人で解決しようとせず必ず報告、連絡、相談を徹底し利用者の指導をおこなってみましょう。

就労継続支援B型事業所におけるケース記録の内容をよくするには?書き方でおすすめの3つの技法を紹介!

就労継続支援B型事業所におけるケース記録の内容をよくするには?書き方でおすすめの3つの技法を紹介!

ケース記録の重要性、記録を書く際の重要なポイントは理解できたでしょう。ケース記録の内容をもっとよくするためにケース記録の書き方、おすすめ3選の技法を紹介しています。

ぜひ、参考にしてください。

5W1H

「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(だれが)」「What(なにを)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」の英単語の頭文字をとった言葉で情報の整理にも役立ちます。

「5W1H」は正確に誰にでも伝えることのできる書き方です。それぞれをもう少し詳しく見ていきましょう。

When(いつ)

時間をあらわす要素です。

日時や期限、期間、タイミング、季節などを具体的に伝えたいときに使う用語になります。

Where(どこで)

場所をあらわす要素です。

具体的な場所だけでなく、希望する環境も伝えることができます。例えば、場所が分かると「目的地までの移動時間・移動手段」をイメージでき、具体的な計画を考えるときに役立ちます。ほかにも、作業場所などを指定すると「現場(作業場)でのイメージ」が浮かびやすくなるので支援する職員も行動がしやすくなります。

Who(だれが)

主要な人物をあらわす要素です。

具体的な人物を指す場合もあれば、役職やチーム全体を指す場合もあります。

「だれ」が明確にならなければ、会話や状況を正しく(あるべき方向へ)理解できず、支援、記録ができない状況になるでしょう。記録を書くとき自分だけがわかっていても、他の人が見てわからないと意味がないので気をつけましょう。

What(なにを)

対象となる「もの」や「こと」をあらわす要素です。

作業内容、サービス提供、将来へのイメージなど多岐にわたります。

「これ/それ/あれ/どれ」を使って記録を書いているひとがいます。曖昧な表現になると支援する際、対象が明確になっていないためミスやトラブルに繋がる原因となる場合があります。注意しましょう。

Why(なぜ)

理由や背景、原因などをあらわす要素です。

何事にも理由はあります。ですが、実際「理由」を使わなくても相手に情報が伝わるケースは多いでしょう。それでも「理由」を盛り込むことで、読み手の理解や共感を得られやすくなります。また、なにか報告する際も必ず「理由」を書いて記録しましょう。

How(どのように)

具体的な方法や手段を表わす要素です。

どのように物事を進めるのかを伝えることができます。今後すべき支援や行動の具体的な内容が表現できる重要な部分でもあります。

利用者の希望も取り入れ記録できるとよりよいケース記録になるでしょう。

PREP法

「Point(結論)」「Reason(理由)」「Example(具体例)」「Point(結論)」の英単語の頭文字をとった言葉で、「プレップ法」と読みます。

PREP法は、情報を伝える文章構成のことです。PREP法を使用すると簡潔にわかりやすく伝えることができます。

書き方は、初めに「要点」を伝え、次に結論にいたった「理由」を説明します。理由に納得してもらうための「証拠」を提示し、再び「要点」を伝える、という文章構成で書きます。

例文)

「結論」=利用者の作業の変更を予定中。

「理由」=利用者がPC作業に興味があると話されたため。

「具体例」=Excelを使用した入力とWord使用した入力のサービス提供を提示したところExcel・Wordどちらの知識もないことがわかったため。

「結論」=そのためすぐに作業の変更ができないため、予定中となっている。

このように事柄がスッキリと整理されていると、読み手は状況がわかりやすいですね。書き手も伝えなければならない重要事項をしっかりかけるので表現方法の短縮になるでしょう。

起承転結

文章や話の構成の仕方、また物事の順序や展開の仕方のことで、起承転結を使って書くと状況の把握もしやすく、時系列もはっきりするので、読み手は理解が深まります。

「起」「承」「転」「結」の4句で構成されます。それぞれの意味を詳しくみてみましょう。

「起」=前提や背景を説明する要素です。書き手が物事の設定を説明することで、読み手はあとに続く事柄の展開を理解しやすくなるでしょう。

「承」=「起」の続きをを伝える要素です。あとに起こった内容を深堀りして、展開します。「なぜなら」など理由の部分になる要素に繋がります。

「転」=重要な中心となる要素です。話や文章が一気に広がります。相手に伝えたい内容は「転」に記録しましょう。

「結」=話を終結させる要素です。全体を通して伝えたい内容があれば「結」に記録します。ただし、本題が解決したあとの部分なので、長くなりすぎないように注意する必要があります。簡潔に記載しましょう。

就労継続支援B型作業所「ワークショップOHANA」のケース記録の書き方を紹介!

就労継続支援B型作業所「ワークショップOHANA」のケース記録の書き方を紹介!

今までの就労継続支援B型作業所「ワークショップOHANA」は、ケース記録を手書きで記録しスタッフ間で共有していました。ですが、手書きでの記録だと、誰がどの利用者を書いているのか、また時には、1人のスタッフがその日の利用者全員分を書かなければなりませんでした。

ですが現在のワークショップOHANAでは、ケース記録の文章はChatGPTを活用しながら作成しています。手書きで書いていたときと比べて約10倍スピードが上がり時間短縮にも繋がりました。その分他の支援・サポートに時間が取れるようになりスタッフの負担も軽減されています。

まとめ|就労継続支援B型事業所のケース記録は正しい書き方でまとめることが重要!

まとめ|就労継続支援B型事業所のケース記録は正しい書き方でまとめることが重要!

いかがでしたか?最後まで読むことで就労継続支援B型でのケース記録の正しい書き方は理解できたことでしょう。

ケース記録は書き手がいて、読み手がいます。そのため正しい書き方を学び、理解し記録することで、自分の強みにもなります。

最後に本記事を簡単にまとめました。

  • 就労継続支援B型事業所におけるケース記録とは?
  • 就労継続支援B型のケース記録の重要性
  • 実地指導でみられる内容
  • 就労継続支援B型のケース記録の書き方

単純作業の繰り返しだと思わず、利用者ひとりひとりの将来のためのケース記録だと思いしっかり書いてほしいと思います。

就労継続支援B型「ワークショップOHANA」にご興味・ご相談があれば、ぜひ下記までお問合せください。

特定非営利活動法人「北斗会」の連絡先はこちら

法人名特定非営利活動法人 北斗会
代表理事高野 和子
提供サービス種別就労継続支援B型事業
施設名ワークショップOHANA
住所〒899-4332 鹿児島県霧島市国分中央1丁目14-4
電話番号0995-50-3236
ファックス番号0995-50-3075
お問い合わせ先お問い合わせはこちら

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