
就労継続支援B型でしているeスポーツの内容を知りたい!

就労継続支援B型でeスポーツ作業すると工賃や収益はどのくらい?市場規模も気になる!

一体、どんな大会で優勝できるの?初心者ならどんなゲームがおすすめ?

プロゲーマーになりたいんだけど、eスポーツ大会で優勝するための道のりと極意を知りたい!
コロナ渦が始まったころから、就労継続支援B型でeスポーツを取り入れている福祉施設、福祉事業所が年々増加傾向にあることをご存じでしょうか。
特定非営利活動法人北斗会が運営する就労継続支援B型作業所「ワークショップOHANA」では、令和03(2021)年4月1日に開始した北斗会ゲームプロジェクトの一環として、eスポーツ業界へと参入しています。
取り入れたいけど、具体的にどうすればよいのかわからないと考える施設、事業所関係者の方もいるでしょう。
本記事では、就労継続支援B型におけるeスポーツとは何か?また、障害者がゲーム大会で優勝するまでの道のりと極意について紹介しています。
- 就労継続支援B型におすすめのeスポーツとは何か?
- 作業工賃とeスポーツからの収益の仕組み
- eスポーツを導入するメリット、デメリットおよび発展状況
- eスポーツの導入事例
- eスポーツ導入の具体的な手順
- 大会で優勝するための道のりと極意
それでは、ぜひ最後までご覧ください。
- 就労継続支援B型の作業としてもおすすめ!eスポーツとは何か?
- 就労継続支援B型のeスポーツ作業で工賃はどれくらい?収益の仕組みも大公開!
- eスポーツを就労継続支援B型作業所に導入するメリットは?5つのポイントで解説!
- eスポーツを就労継続支援B型作業所に導入するデメリットと注意点についても解説!
- 就労継続支援B型作業所におけるeスポーツの導入事例3選
- eスポーツを就労継続支援B型の作業として導入する方法は?5つの手順で解説!
- 就労継続支援B型の作業だけでeスポーツで勝てるようになるには?優勝までの道のりと極意を解説!
- 就労継続支援B型作業所におけるeスポーツ求人の状況は?市場規模と業界の動向から考察!
- 就労継続支援B型作業所におけるeスポーツに関連したQ&A
- まとめ|eスポーツは就労継続支援B型の作業としてもおすすめ!
就労継続支援B型の作業としてもおすすめ!eスポーツとは何か?

テレビや雑誌でもよく見聞きするeスポーツとは何かご存知ですか?
実際に体を動かすスポーツ競技とは違います。

eスポーツ障害者には向いてないんじゃ?難しそうだし、絶対できないよ・・・」
なかには、「障害者には向いていない」「絶対にできない」と思われている方もいるのではないでしょうか。
近年、就労継続支援B型の作業としてeスポーツを導入する事業所もみられるようになりました。
ここでは、eスポーツとは何か?また、ゲームとの違いについても解説しています。
詳しくみていきましょう。
eスポーツとは何か
「eスポーツ(esports)」とは、電子機器パソコン、テレビゲーム機、モバイルゲーム機を使用し競技または娯楽を楽しみながら、スポーツ・格闘など対戦を行うことを目的とした「エレクトロニック・スポーツ」の略です。
実際に体を動かしてプレイする野球やサッカーなどのスポーツではありません。

そもそも、eスポーツって何かな?
つまり、eスポーツとは何か?と聞かれたら、コンピューターやビデオゲームなどの電子機器を用いながら対戦するスポーツ競技だということ。2023年6月下旬には、国際オリンピック委員会(IOC:International Olympic Committee)が、電子機器などを使用し技量を競う「eスポーツ」の国際大会をシンガポールで開催しました。
さらに2023年12月には、メディアでも話題となった日本、韓国、中国の3か国の友好とeスポーツの発展を目的とした第3回「東アジアeスポーツチャンピオンシップ」が開催。韓国で実際に行われ、日本が2022年度に引き続き総合優勝をおさめ、2連覇を達成したことでも話題となりました。
また、近年のオリンピックではストリート系の若者に人気のあるスポーツを中心に相次いで新競技の採用がされている背景があります。
そのため今後、国際オリンピック委員会(IOC)、国際パラリンピック委員会(IPC)が目指すべき方向性のひとつとして、「オリンピック・アジェンダ2020+5」により下記の内容で名言されました。
バーチャルスポーツの発展を促し、ビデオゲームコミュニティとの関わりを深める
第137次IOC総会-オリンピック・アジェンダ2020+5
ゲームとの違い
eスポーツも、まだまだ一般的には「ただゲームをプレイして遊んでいるだけ」と思われがちです。
そもそも、eスポーツとゲームの違いについて、よく理解しておかなければなりません。
基本的に個人で楽しむのが「ゲーム」。一方で、スポンサーや賞金、景品獲得を目指し、ファンや観戦客と一緒に盛り上がるスポーツが「eスポーツ」です。
大きなeスポーツ大会では、チケットも販売される場合があります。
ゲームは、基本1対1の対戦やインターネット環境下でのオンライン対戦などひとりで楽しめるものが主流。一方で、eスポーツはゲームそのものや個人、場合によってはゲーミングチームにスポンサーがついており、大会として競うことで賞金が発生し、順位が決まるものを指します。
さらに、全国で観戦することができ、観客、ファンからの収益があることも大きな違いといえます。
就労継続支援B型のeスポーツ作業で工賃はどれくらい?収益の仕組みも大公開!

eスポーツというとやはり賞金や収益のことを考えるでしょう。
海外での大会にもなると優勝賞金が数億円から人気の高いゲームだと数百億円にもなります。
日本で行われる大会では10万円から30万円と海外との金額の差が大きく、まだ発展途上ではあるものの、就労継続支援B型の作業としてeスポーツはどんどん取り入れられています。
では、就労継続支援B型ではどれくらい稼げるのでしょうか。
結論からいえば、就労継続支援B型事業所がeスポーツを導入すると約5万円の作業収入が見込めます。
また、気になる収益の仕組みも大公開します。
就労継続支援B型のeスポーツ作業で工賃はどれくらい?
就労継続支援B型事業所がeスポーツ作業を導入した際、プレイヤー(利用者)に支払う工賃の目安ですが、2~3万円が相場です。
理由としては、1名あたりの作業収入が約5万円になるため。就労継続支援B型における工賃の仕組みでもある「分配」によって、金額的にも妥当といえます。
ちなみに、鹿児島県霧島市近辺に所在する就労継続支援B型作業所の工賃をみてみると約8,000円~3万円という相場観です。
また、鹿児島県の発表によると、令和5年度の利用者1名あたりの平均工賃は「18,874円」を目標として設定しています。具体的には、県内平均工賃の過去3年間における伸び率を考慮し、その金額を県全体における目標工賃とすること定義しています。
利用者における工賃の考え方については、下記の記事もご確認ください。
eスポーツにおける作業収入の仕組み
就労継続支援B型作業所がeスポーツを導入して、実際に作業収入を得るには「仕組みづくり」が重要なポイントです。
そもそも、eスポーツをはじめとするゲームで収益を得る仕組みは、下記のように限られます。
- Googleアドセンス
- SNSライブ配信による投げ銭
- ゲーム大会での賞金獲得
- CMや企業とのタイアップなどのプロモーション案件
- スポンサー
eスポーツ参加のための前段階になるような新ソフトの全キャラ開放依頼、時間がないため特定のキャラのレベルアップの依頼なども作業になり収益にもなります。
他にも、eスポーツ作業の収益はどこから得ているのかは、前述のとおりGoogleアドセンスによる広告収入、YouTube、TikTok、InstagramなどのSNSでのライブ配信による投げ銭。また、大会に出場し優勝賞金を得る、さらには結果を残しスポンサーを獲得する事例などが挙げられます。
指導員のフォローも必須となりますが、ゲーミングチームへ所属し報酬を得たり、イベントやメディア出演のギャラ報酬、ゲームトレーナーとして指導料を得たりするなどもあります。
しかし、前述したように日本のeスポーツ大会では高額な優勝賞金は見込めないのが現状です。
なぜなら海外の大会に比べ日本のeスポーツ大会では「高額な賞金を出せない」という法的な問題があるからです。
日本では、高額賞金をゲーム会社などが提供することについて、「景品表示法」から自社製品の売り上げにつながる可能性がある行為は、刑法(賭博罪)の問題になることが指摘されているためです。
具体的には、消費者庁からは下記のように言及されています。
景品表示法では、景品類の最高額、総額等を規制することにより、一般消費者の利益を保護するとともに、過大景品による不健全な競争を防止しています。
消費者庁-景品規制の概要
具体的には、賞金10万円を超えるゲーム大会は原則として開催できません。
eスポーツを就労継続支援B型作業所に導入するメリットは?5つのポイントで解説!

eスポーツとは何か、就労継続支援B型における工賃、収益など理解したことで、就労継続支援B型で導入したいと考える事業所の方もいるでしょう。
導入するあたり、不安や疑問もあることでしょう。不安や疑問の残るまま就労継続支援B型の作業取り入れてしまうと作業として意味がありません。
そこで、事業所または利用者に対してeスポーツを導入するメリットを5つのポイントで解説していきます。
ぜひ、参考にしてください。
プレイ中に試行錯誤をきっかけとした問題解決能力の向上
就労継続支援B型は身体的、精神的、知的、難病の方が利用しています。
自室から出る事に抵抗を感じている方(引きこもり)や体を動かすことが困難な方でもeスポーツ競技を作業の一環として導入した場合、身体を無理に動かさなくてもよくなりますし、室内や個室などで対応できる場合も多くあります。
結果的に利用者に対し就労継続支援B型での作業面、生活面での支援につながります。
さらに就労継続支援B型の作業としてeスポーツをプレイしていると、
プレイ中にクリア出来ない壁に直面した際、一人で解決できない場面になった際、すぐに諦めてしまう、パニックになってしまうのではなく、自分のペースでプレイ中に試行錯誤をし問題解決を本人自身でできるように能力の向上をはかることができます。
たとえばネット検索をし、動画を見て解決を試みる、得意な人に聞くなど問題に直面した時の対処方法を知っておくことは社会に出て自立を目指す際もとても重要です。
結果、自分自身で問題解決をしていくきっかけにつながる点、誰に相談すればよいのか、状況の把握ができるようになる点、問題解決能力の向上の点でメリットと言えるでしょう。
チームメンバーとの交流
eスポーツには1対1の個人プレイの競技もありますが複数人のチーム編成が必要となるチーム対抗競技もあります。
日本で主流になっているeスポーツの内容が「ストリートファイター」や「大乱闘スマッシュブラザーズ」など格闘対戦ゲーム、「Apex」、「VALORANT」などFPS(ファーストパーソン・シューター)ゲーム、「ぷよぷよ」、「パズル&ドラゴン」などのパズルゲームです。
上記のゲームをみると1対1の個人対戦とゲーミングチーム編成の必要な対戦なので、人と話すことでチーム意識が重要で交流が必要になります。
チームが必要な競技では、チームメンバーとの交流が芽生えるでしょう。
チームメンバーとの交流は、利用者にとってよい刺激になる点、チームという複数人へ対しての抵抗感克服、団体行動への参加、行動のしかた、社会への参加および承認欲求の芽生えなどのメリットがあります。
コミュニケーション能力の向上
チームメンバーとの交流が深まれば、会話も多くなり自宅でひとりゲームをするよりも社会的、精神的に開放的な気持ちにもなり、精神的な安定もはかれ、社会への参加意欲にもつながりやすくなります。
会話が多くなるということは、コミュニケーション能力の向上も見込め、億劫な気持ち、引きこもりがちな生活から少しでも前向きで解放的な気持ちにしていく支援もでき利用者本人も生活的ステップアップができるでしょう。
コミュニケーション能力の向上についても、eスポーツ参入により話し方、自分の考えや気持ちの伝え方、説明方法など様々な点においても自立、社会参加の支援が可能となります。
人と話すことが苦手な利用者の方も自分の好きなゲームの話だと積極的に話してくれます。時々は実況をしながら周りを笑わせて雰囲気を和ませることや、集団の輪の中心になったりも見受けられました。
そのため人とのかかわりからコミュニケーション能力の向上が見込めるメリットがあります。
ストレス軽減
ゲームをすると、ストレスが減り、鬱症状が軽減され気分がよくなると言われています。
大げさにな言っているのでは?と思われるかもしれませんが、NHK「ゲームとこころの健康」ではゲームをプレイしたことによりストレスの軽減、鬱症状の軽減の効果を裏付けするため「大阪大学大学院人間科学研究科」の村中誠司助教が監修し海外の参考文献をもとに証明されています。
日常的にゲームをしていない人は、1日のスケジュール内にゲームをプレイする時間をルーティン化します。ルーティン化したことで日常的にゲームをプレイすることになり、多くの視点と理論から精神面での健康が改善される可能性があるという十分な証拠が実際にあるのです。
さらにストレスの多い方には攻撃的なゲーム(自分が悪役)のゲームが一層ストレスの軽減につながり、精神的スキルが身につき鬱状態や敵対(攻撃)的になったりしにくくなるメリットがあります。
モチベーションのセルフコントロール
セルフコントロールとは、「self」+「control」自分を抑制するという意味です。
自分とは、感情、欲求、衝動、行動などを表します。
ゲームプレイを通し、ストレスの軽減につながり、攻撃的な感情や破壊衝動、攻撃的な言動の減少がみられます。
さらに、チームメンバーとの交流により自己欲求が現れ、衝動的、突発的な行動など自己中心的になることが減少することが可能です。実際に自分自身で自己中心的行動などを減少させ、コントロールできるようになることをセルフコントロールといいます。
モチベーションとは、人が目標や対象などに向かって行動を起こすこと。目的達成や行動を維持するための原動力となるようなことがらを意味する表現です。
ひとりコンピューターと対戦しているとクリアできず途中で諦めてしまい継続できない、ゲームプレイに飽きてしまうなど継続しないことがあります。ですが、eスポーツとしてゲーム参加すると必ず対戦相手がいます。
そのためマンネリ化しない、対戦意欲がでてくるなどメリットもありモチベーションの継続、アップも見込めます。
モチベーションと感情のコントロールを自分自身で、できるようになることをモチベーションのセルフコントロールと表現します。
自分自身に負担をかけ過ぎることなく、目標に向けた行動を自然に行えるように周りの状況と環境の提供をし「やらなければならない」を「自分ならできる」に置き換えていくことが可能な面もメリットです。
eスポーツを就労継続支援B型作業所に導入するデメリットと注意点についても解説!

eスポーツは、精神的、身体的に悪影響を与えやすいといわれており、健康面でのデメリットがあります。
たとえば、「ゲーム障害」です。ゲーム障害は身近な代表的病気だといえます。
ゲーム障害を患うとゲームに依存します。
依存することで、昼夜逆転や暴力行為などの危険性が現れ、引きこもりや攻撃性が強くなることもあり精神的な部分と日常生活に影響することでしょう。
さらにeスポーツは身体を動かすこと(運動量)が減少するため、運動不足に陥る面もあり、肥満体型、生活習慣病、エコノミー症候群、視力低下になりやすく身体的健康にも悪影響がでるため注意が必要です。
過度な運動は必要ないですが、ゲーム障害を予防するためにもゲームのプレイ時間の設定、適度な休憩に注意しましょう。
就労継続支援B型作業所におけるeスポーツの導入事例3選

なぜ就労継続支援B型でeスポーツの導入が考えられているのか、それは障害者、健常者が分け隔てなく平等に戦うことができるフィールド競技だからです。
必要なのはスキルと環境、サポート体制です。どんな方法で就労継続支援B型の作業にeスポーツを導入し利用者につなぐのか、下記では就労継続支援B型作業所におけるeスポーツの導入事例を3つ紹介しています。
他の事業所との差別化を図りたいと考えている事業所はぜひ参考にしてください。
事例①|テストプレイ
たとえば、就労継続支援B型の利用者には、知的障害をもつ方もいます。
程度により異なりますが、B1、B2、A1、A2などそれぞれの利用者にはどのゲームが合うのか、どこまでの操作が可能かなどのテストプレイを行います。
文字が読めなくても映像の雰囲気や音で理解される利用者もいます。
テストプレイの実例として、任天堂switch「大乱闘スマッシュブラザーズ」を例に挙げると、まずキャラクターの全開放が大乱闘をプレイするために必要になります。
そのため利用者にストーリーを進めてもらい解放をしました。
当初の予定期日は2週間~1ヵ月を予定していましたが、1日でキャラクターの全開放をしてしまうほど熱中し、早く解放できる方法を調べていました。
このようにテストプレイを行うことでどの程度の能力が利用者にあるのか確認にもなります。
今回の場合、漢字が読めない利用者の方でしたが、ストーリーを動画配信サイトや絵で説明されている解説本などをみて裏技や必殺技など工夫して攻略していました。
事例②|eスポーツ大会当日の運営
eスポーツを導入しても、急に大きな大会に出場するのではなく、小規模なものから始めるとよいでしょう。
たとえば、事業所、作業所主催で大会の運営を行うことがあります。
この場合、大会当日の運営を利用者にも手伝ってもらい、興味のある利用者全員が参加できる環境になるよう支援、環境整備をすることが大切です。
大会運営の実例として、「大乱闘スマッシュブラザーズ」を就労継続支援B型の利用者全員で事業所内での小規模なeスポーツ大会を開催しました。
特定の利用者がプロ並みに強い事からトーナメント形式で競技をし最終的に強い利用者との一騎打ちをしました。
さらに「大乱闘スマッシュブラザーズ」の特徴でもある複数人(最大8人)での大乱闘対戦ができるためチームに分かれ競技もし、8人それぞれでの個人戦も行いました。
事例③|ゲーム系インフルエンサーの育成
「好きこそものの上手なれ」という言葉がありますが、ゲーム系インフルエンサーの育成には力をいれて行います。
なぜなら、動画配信サイトでの収益、SNSでの宣伝により利用者にスポンサーがつくと社会的自立につながるためです。
昭和の時代、ゲームばっかりしてると怒られた経験のある方もいるでしょう。
ですが令和の現在ゲームプレイが職業として成り立ちオリンピック、パラリンピックでの種目に追加される可能性まで秘めています。
そのためゲーム系インフルエンサーの育成は楽しく平等に社会に参加できるツールでもあるため、興味のある利用者、希望者はどんどん育成しましょう。
eスポーツを就労継続支援B型の作業として導入する方法は?5つの手順で解説!

就労継続支援B型の作業の1つとして導入する場合不安や疑問に思うこともあるでしょう。eスポーツの導入方法について、5のステップで解説していきます。
作業として導入する場合、しっかりとした土台が必要です。
ひとつずつしっかり準備し不安や疑問が減るためにも、ぜひ参考にして下さい。
手順①|事業所内でゲーム環境を構築する
まずは、ゲームができる環境づくりからです。
事業所、作業所が広い場合は別室を準備するのが1番ですが、複数人混在する場所でのゲームプレイの場合周りへの配慮が大事になります。
eスポーツ以外の作業をしている利用者のためイヤホンの使用、オンライン対戦中の声やライブ配信中の背景、音量への配慮、オンライン対戦ができるようにネット環境の整備などがあげられます。
手順②|eスポーツ導入の意義と目的を事業所全体で共有する
eスポーツの導入の意義、目的はプレイする利用者、事業所全体での共有が不可欠です。
なぜならなにを目的に導入したのか、利用者に対しどこまでeスポーツゲームを提供するか支援する事業所、指導員も、対応、支援方法が変わってくるためです。
手順③|職業指導員がゲームの知識とスキルを習得する
導入するとなると指導員はある程度eスポーツのこと、eスポーツの種目になるゲームの内容について知識、経験さらにスキルが必要となります。
導入したての頃は利用者同士での対戦より指導員との対戦が多くなる傾向にあります。利用者と少しでも対等に渡り歩けるようにスキル習得と経験は必須でしょう。
手順④|eスポーツ参入において短期的(1年以内)に達成可能な目標を設定する
ただ毎日ゲームをするだけのマンネリ化にならないように、短期的目標を設定します。
たとえば任天堂switch提供の大乱闘スマッシュブラザーズだと、キャラクターの全開放を1つ目の目標とします。全開放ができたらCPUレベル1~9までの大乱闘攻略などです。
達成できる範囲で目標を設定することが重要になるので1ステップごとの提供、支援を心掛けます。
手順⑤|就労継続支援B型作業所の利用者にeスポーツ導入を通知する
ここまで準備できたら、利用者にeスポーツの導入を通知します。
ゲームには得手、不得手があるので希望者の確認もしていきましょう。
そしてゲームなので興奮して声が出てしまう場合やゲームの音についての理解と協力も不可欠になるのでプレイをしない利用者に対してもしっかり説明します。
プレイする利用者、他の利用者それぞれにしっかり納得してもらえるように指導員は配慮が必要です。
就労継続支援B型の作業だけでeスポーツで勝てるようになるには?優勝までの道のりと極意を解説!

就労継続支援B型の作業だけでeスポーツで勝てるようになるために、プレイする利用者がどんなゲームが好きなのかリサーチが必要となります。
なぜなら、好きでもないものをプレイしても上達しないためです。
リサーチの結果好きなタイトルの提供が準備でき次第利用者に通知しとことんやり込んでもらうこと(練習の積み重ね)が必要になります。
さらに、やり込んでもらうためには相手が必要となります。
同等レベル程度のライバルがいるとなおよいでしょう。
ライバルの出現は相乗効果にもなりまた困難な壁に直面した際の相談役にもなります。
利用者だけで解決できない問題が発生した時のサポート体制も重要です。いつでも対応ができるようにゲームの進行具合の把握もしましょう。
もちろんインターネットの環境整備も必要ですが、充実したサポート体制があることでゲームの進行、プレイヤーの育成にも関係するためです。
利用者が好きなゲームだと長期継続にもつながり、継続してプレイすることで多動性があっても集中して取り組むことができます。
eスポーツはゲームをやり込んだ分の成果が目に見えてわかるためさらに上を目指すようになり、モチベーションが向上します。
次の段階として向上したモチベーションを大会に出場することで発散しましょう。
大会に出場しなければ自分のレベルも把握できません。
レベルの把握により一層やり込みまた大会への出場を繰り返すことで大きな大会でも安定したプレイができ優勝につながるでしょう。
就労継続支援B型作業所におけるeスポーツ求人の状況は?市場規模と業界の動向から考察!

導入を決めたら、就労継続支援B型におけるeスポーツ求人の状況と、市場規模、業界の動向が気になりますよね?
下記では、日本のeスポーツに対する市場規模、需要性と障害者認定の人のeスポーツ参入増加の関係性など就労継続支援B型における気になる部分を具体的に考察していきます。
ぜひ、参考にして下さい。
eスポーツの市場規模
海外に比べて、日本のeスポーツの市場規模は小規模と言えざる負えません。なぜなら、海外と日本では賞金額に大きな違いがあります。海外の大きな大会にもなると賞金額が数億円~人気のあるゲームだと数百億円にのぼります。驚くほどの金額ですが、日本開催の大会では10万円~30万円程といわれています。
日本には刑法の縛りがあるためなかなか高額の賞金額に出来ないのです。
ですが、国内eスポーツの市場規模が2022年には125億円に到達(前年比127%)。国内のeスポーツファン数(試合観戦・動画視聴)は約776万人と年々増加しています。

参考:「日本eスポーツ白書2022」一般社団法人日本eスポーツ連(JeSU)
また、2022年には「イベント運営」に関する新たなカテゴリが市場規模に追加されeスポーツならではのイベント運営ノウハウを持った事業者が大きな市場を形成しています。
eスポーツにおける市場の進化過程には3段階あり「黎明期」「成長期」「成熟期」に分けられます。就労継続支援B型だけでく日本全体を見てもeスポーツの進化過程は「黎明期」といわれ、まだまだ発展途上であり普及中といえます。
それでも就労継続支援B型ではeスポーツの導入が増加傾向であることは間違いなく、今後導入予定の事業所も増えるでしょう。
オリンピック・パラリンピックの種目に採用される可能性もあるeスポーツはどんどん発展していき、日本だけでなく、世界中で市場規模も大きくなるといえます。
障害認定者の急増とeスポーツの需要増加との関係性
障害者人口は、年々増加傾向にあり一時的なものとは言えなくなっています。
障害には、大きく分けて精神障害・身体障害・知的障害が存在します。
内閣府による調査では、障害者数が2006年は約655万人でしたが2018年には約936万人と12年間で約300万人近く増加しています。日本人の人口から比べてみると、国民の約8%が障害を抱えている状況といえます。
障害者の人口内訳は身体障害者>精神障害者>知的障害者の順になります。それぞれの障害者数は年々増加傾向です。
増加することで障害者認定された方のeスポーツの需要も年々増加しています。なぜなら、eスポーツは、身体的、精神的、知的障害に関わらず、ゲームプレイができる競技であり、健常者とも平等、対等に対戦ができます。そのため社会に参加しやすく無理なく始めやすい部分も兼ね備えているからです。
結果、障害認定者の急増とeスポーツの需要増加は関係性が深いといえます。
就労継続支援B型作業所におけるeスポーツに関連したQ&A

下記に、就労継続支援B型作業所におけるeスポーツに関連したQ&Aをまとめました。
- eスポーツにはどんなゲームがありますか?
- eスポーツは障害があってもできますか?
- 就労継続支援B型事業所の作業としてeスポーツを導入しない理由は何ですか?
それでは、詳しい解説をみていきましょう。
Q1)eスポーツにはどんなゲームがありますか?
eスポーツの種目には多種多様な競技があります。
代表的なものとして、大乱闘スマッシュブラザーズ、Apex Legends、荒野行動、フォートナイト、ストリートファイター6、ぷよぷよeスポーツ 、ポケモンユナイト、鉄拳7などがあります。
ファミコン世代にも人気だったゲームが数多くあるので、若い人だけでなく幅広い年齢の方に楽しんで参加していただけるでしょう。
ゲーム内容により1人~最大10人までプレイできるゲームがあり、チーム戦、個人戦、対抗戦など様々です。利用者にあったゲームを見つけ、指導員はゲーム内容の把握に努めましょう。
ゲームもパソコンゲーム、テレビゲーム、モバイルゲームなどそれぞれあります。操作方法も異なり毎日が勉強です。
Q2)eスポーツは障害があってもできますか?
eスポーツは障害者、健常者分け隔てなく競うことができ、年齢、住む場所、言葉や性別を問わず、どんな人も楽しめる新しい形の競技です。
プレイ環境やプレイできる場所、プロ、アマの選手様々います。
eスポーツ参加者は年々増加傾向にあるため、eスポーツを始めるなら今がチャンス!といえるでしょう。
今後eスポーツの導入を考えており、始めるならば、パソコン、ゲーム機器の準備、整備やゲームソフトの用意はもちろん、インターネット環境やゲームをするためのツールの拡充(コントローラーの数、イヤホン、ゲーミング用パソコン、複数人で行う場合は大画面のテレビなど)が重要です。
Q3)就労継続支援B型事業所の作業としてeスポーツを導入しない理由は何ですか?
日本では、eスポーツのプレイヤーが年々増加傾向にありながらも、あまり浸透していないのが現状です。
なぜなら、高額賞金を設定できないという事情が関係しているためです。
日本の法律上、海外のように億単位の高額賞金を設定することが困難となっています。
海外のeスポーツ大会では、観戦チケットの代金やプレイヤーの課金による収益の売上を賞金に充てることもあるため高額賞金になります。
まとめ|eスポーツは就労継続支援B型の作業としてもおすすめ!

今回は、eスポーツとは何か?また、就労継続支援B型作業として導入する流れと事例、障害者がゲーム大会で優勝するまでの道のりと極意について解説してきました。
就労継続支援B型でeスポーツを取り入れることで、コミュニケーションの向上、利用者の身体的、精神的安定にもつながりますし、障害者、健常者分け隔てなく競技に参加できるため社会的自立にもなるので今がチャンスといえるでしょう。
最後に、本記事の内容をまとめました。
- 就労継続支援B型におすすめのeスポーツは何か?
- 作業工賃とeスポーツからの収益のしくみ
- eスポーツを導入するメリット、デメリットおよび発展状況
- eスポーツの導入事例3選、導入の手順5ステップ
- eスポーツの大会で優勝するための道のりと極意について
上記のことからeスポーツを取り入れることを悩んでいる事業所、作業所の方はぜひ参考にしてみてください。一歩踏み出すきっかけになれれば幸いです。
就労継続支援B型「ワークショップOHANA」にご興味・ご相談があれば、ぜひ下記までお問合せください。
特定非営利活動法人「北斗会」の連絡先はこちら
法人名 | 特定非営利活動法人 北斗会 |
代表理事 | 高野 和子 |
提供サービス種別 | 就労継続支援B型事業 |
施設名 | ワークショップOHANA |
住所 | 〒899-4332 鹿児島県霧島市国分中央1丁目14-4 |
電話番号 | 0995-50-3236 |
ファックス番号 | 0995-50-3075 |
お問い合わせ先 | お問い合わせはこちら |
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